新型コロナウイルス対策での3つの密「密閉・密集・密接」の回避、マスクの着用、手洗いの徹底等、皆さまご苦労され、気分が滅入っていませんか?
手洗いの回数が多く、手指はかなり乾燥している時こそ、おうちで保湿ケアはいかがでしょうか?ハンドケアとして、クリームやオイルをやさしく塗ると乾燥を防ぐだけでなく、リラックス効果が得られます。
爪の場合、ひどい乾燥が現れると薄くもろくなり、欠けやすくなります。表面が凹凸になり、二枚爪になったり、ひどい場合は爪そのものが剥がれる方もいらっしゃいます。
乾燥した爪先やささくれた指先を見ていると気分が落ち込んでしまったり、他人の目が気になり、外出や人に会う事を避けるようになったり、日常生活動作時(例えば服の着脱時)に爪が引っ掛かってしまったりと、お悩みを抱かれている方も多くいらっしゃいます。
指先をケアする事で、少しでも前向きな気持ちになって頂きたいと思い、訪問先で爪ケアを指導した所、「ピカピカになった」と爪を嬉しそうに見せてくださり、私も嬉しくなりました。
これからも、皆さまの気持ちが前向きになり、日常生活に潤いが生まれますようお手伝いをさせて頂きたいと思っております。皆様も、ぜひお試しください。
文責:訪問看護ステーション”もも”
楠見 かおり
4月に入り当院の桜の花も満開となり、ここ数日では新芽の緑色が目立つようになってきました。暖かい日差しを浴びながら、きれいに咲いた花々を眺めていると自然と気持ちも暖かくなります。訪問先でも「外を散歩してきた」という話をよく聞くようになりました。
今日は、散歩の強い味方「杖」について紹介しようと思います。
足腰の筋力が衰えると、2本の足で歩くことが難しくなります。杖はそういった方の3本目の足になる事で体を支え、歩行を安定させます。
また、杖に体重をかける事で、体重が分散され足腰への負担も軽減されます。
杖の種類
- T字杖(1本杖)

最も一般的な形の物です。特別な扱いの必要がない為、扱いやすく、初めて杖を使用される方でもすぐに慣れる事ができます。腕の力が十分にあり、基本的に杖がなくても自力で歩ける状態の方にお勧めです。
- ロフストランド杖

上部に前腕を通す輪っか、下部に握り手がついた杖です。
前腕と握り手の2点で支える為サポート力が高く、高い安定感があります。握力が弱っている方や身体に麻痺がある方に向いています。
- 多脚杖(3点杖・4点杖)

地面と接する杖先が3点(4点)の杖です。
支える支柱が多い為安定性が高いです。
T字杖では歩行が不安定な方、姿勢が悪い方、背骨が曲がっている方にも適しています。
※杖の適切な長さは、「身長÷2+3」㎝です。
※量販店でも購入できます。
杖は福祉用具ですので、介護認定をお持ちの方は、担当のケアマネージャーへ相談してください。
杖にも色々な種類があります。自分の体の状態や生活環境にあった杖を選び散歩に出かけてみませんか?
訪問看護ステーション
富永 奈津紀
昨年の12月に、宮崎で「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」が開かれ、県内外の高齢者や介護現場に従事している職員が、日々の中に見つけた場面や思いを短歌にして発表する機会がありました。
当ステーションの利用者様にお話ししたところ、応募の希望が聞かれたので、本人、ご家族、そしてスタッフと一緒になって歌を詠んでみることになりました。
話し合いを重ね選んだ2首を応募されたのですが、そのお姿を見ているうちに私も挑戦したくなりました。短歌は学生時代しか読んだことのない私でしたが、ある場面を詠んでみることにしました。
「お互いの想い通じぬ待合室 手のぬくもりで語り合う朝」
病院の待合室で久しぶりに出会ったお二人ですが、お二人とも耳が遠く、大きな声も出せません。しっかりと握った手のぬくもり、力加減でお互いの様子を伝え合っておられ、お互いの変わらないご様子に安堵されておられた場面でした。
言葉を使ってコミュニケーションするのが当たり前に感じていた中で、うまく会話できなくても様々な方法で想いを伝える事は出来るという事に改めて気付けた出来事でした。
新参者の私は残念ながら入賞は逃しましたが、こうやって歌を詠むことを念頭に日々の様子や出来事を見てみることで、新しい気付きが見つかりました。
何気ない中にも色んな想いや理由が隠れている事を知る機会となりましたが、来年こそは入賞できるよう挑戦を続けてみようと思います。

文責:訪問看護ステーション長
久保田優子
新年あけましておめでとうございます。今年は暖かい年越しとなりましたが、皆様はどのような新年をお迎えになられましたか。今年は庚(かのえ)のねずみ年で60年に一度巡ってきます。勉学や仕事、恋愛、健康など行き詰った時に、新しい活路が見出せるチャレンジに適した年だそうです。私も庚のねずみにあやかって、日々チャレンジしていきたいと思います。
昨年の7月で、三州訪問看護ステーション『もも』は1周年を迎えることができました。地域の皆様のお力添えを頂いて、現在も訪問看護を提供することができております。昨年は約70名の利用者様のところへ訪問させて頂きました。訪問看護を提供して感じる事は、病院の看護では味わう事の出来ないより深い関係性です。ご本人との距離がとても近く、より深くかかわる事ができ、ご家族とも同様に深い絆が生まれます。この70名の皆様は、それぞれ違う道をたどっておられますが、訪問させて頂いた頃の情景がすぐに浮かんで参ります。笑顔もあれば、苦しい時もありました。自分の無力さや至らなさを反省しながら帰った道中もありましたが、いつも利用者様やご家族から励ましの言葉を頂き、笑顔で次の訪問へ行く事ができました。
新たな年となり、毎日が新しいチャレンジと捉え、少しでも皆様のお手伝いができますよう精進して参ります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

文責:訪問看護ステーション長
久保田優子
皆さんは病院で点滴を受けたことがありますか?
年を重ねると体内に水分を保持する事が難しくなり、小さなことで脱水になります。季節によって発症する原因は異なりますが、今から寒くなるこの時期は、感染性腸炎(嘔吐・下痢)や風邪による発熱、暖房の効いた室内で過ごすことによって脱水を引き起こします。人間に必要な水分は体重(Kg)当たり30~50mlと言われていますが、皆さんは摂れていますか?また水だけ摂っても脱水の改善につながらず、適度な塩分も必要となります。
ご自宅で過ごされる高齢者の方や、がんで療養される方に、脱水症状が見られ、かかりつけ医より点滴の指示が出た場合、訪問看護がお体の具合によってご自宅で点滴を行うことができます。ある程度の水分が点滴として補充されることで、体調が良くなり、元気が出ることで、高齢の方やご家族は喜ばれる場合が多くあります。できればお口から水分を摂ることが大切ですが、むせ込みやすい場合は点滴が有効となります。
脱水の簡単なチェックをご紹介しておきますので、参考にしてください。
1.わきの下が乾いていませんか?
2.口の中や唇が乾燥していませんか?
3.腕の皮膚をつまんで持ち上げて放した時にしわができたままになっていませんか?

このような場合は積極的に水分を補給しましょう。
文責:訪問看護ステーション長
久保田 優子
訪問入浴をご存知でしょうか。ご自宅で療養されている方が、自力での入浴が難しい場合や、家族の支援だけでは難しい場合に、ご自宅での入浴を支援する介護サービスです。
今回訪問させて頂いた方はお風呂が大好きな方でした。病院に入院中もお風呂を楽しみにされておられたそうです。病状が進み、呼吸状態の悪化が見られ、酸素投与や息苦しさを和らげるためにモルヒネの注射を常時行わなければならない状況になりました。ご本人から「家に帰りたい」と自宅での療養を望まれ、ご家族の支援を頂いて退院となりました。
初めて訪問させて頂いた日は、笑顔で迎えてくださいましたが、状況は非常に厳しいものでした。入浴は難しかったので、ご家族と相談し体を拭いて対応していましたが、入浴の希望が聞かれました。正直、体調への影響が心配ではありましたが、お風呂好きなご本人の為に、急いで訪問入浴が手配されました。
都城にはいくつか訪問入浴サービスを提供する事業所があります。数名のスタッフが自宅に浴槽を設置し、寝たまま安心してお風呂に入ることができます。頭から足の先までピカピカにして頂き、湯船につかる事ができます。
ご自宅で入浴することができた患者さまは、ほほをバラ色に染めて、「気持ちいい」とOKサインをしてくださいました。
入浴には「疲労回復」「血行促進」「リラックス」等の効果があるそうです。病状によって自宅での入浴が難しい方にも、訪問入浴などの介護サービスでこのような効果を得る事ができます。患者様の状態に応じてサービスを選択し、少しでも多くの「気持ちいい」体験ができるといいですね。
文責:訪問看護ステーション長
久保田優子