都城市 三州病院

(財)日本医療機能評価機構認定施設

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訪問看護 ”もも”便り

もも便り 第10号『災害の備え』

 訪問看護では天候の確認はとても重要です。一番は災害を予測することにあります。地震などの自然災害は予測が難しいのですが、台風や大雨などの天候に伴う災害については事前に情報収集を行います。先日の都城地域に生じた大雨では避難された利用者様もおられました。

 在宅で医療を受けられている方には特別な準備が必要になります。医療機器の電源の確保あるいは代替品の準備、避難場所や避難方法の確認、事前の準備物品(薬剤や医療物品を含む)などです。

 訪問看護ステーションももの事業所には、訪問地域の地図が張ってあり、現在訪問しているお宅と一時避難場所が掲示してあります。先日の台風の時にも、道路の冠水を予測した訪問経路を確認し、利用者宅から近い避難場所を確認しました。また地震の際には安否確認を行い、連絡がつかないお宅を訪問しました。

 ご自宅で医療を受けながら頑張っておられる皆様が、災害時にも不足なく医療行為が受けられるよう訪問看護師も準備を整えています。災害が起こらないことが一番ですが、万が一への備えを考えていきましょう。

文責:訪問看護ステーション長
久保田優子

 

災害時に備え地図を掲示しています

もも便り 第9号『開設1周年を迎えました』

 7月1日に三州訪問看護ステーション“もも”を開設し、1周年を迎えることができました。これも多くの皆様方からのご支援のお陰と心より感謝しております。

 当訪問看護ステーションは地域の皆様が安心して生活できる環境作り、自宅で自分らしく過ごすためのチーム医療を理念に、たくさんの方に利用して頂いております。特にがん患者様の療養に力を入れて、自宅での症状緩和、生活の質の維持、お看取りの支援に尽力して参りました。

 開設当初は認知度も低く、訪問件数も少なかったのですが、最近は月に100件の訪問を行っています。県西地域の訪問が増えたことで、土地勘も身に付き、移動時間が瞬時に計算できるようになりました。

 2年目に向けて、職員一同、今一度理念に立ち返り、地域の皆様、特にがんで療養されている方やそのご家族に対して、訪問看護師として全力で支援する事を誓いました。

これからもたくさんの皆様のご支援を頂きながら、日々努力して参ります。今後とも宜しくお願いいたします。

 

文責:訪問看護ステーション長

久保田優子

 

訪問看護ステーション”もも”統計(2019.1.1-2019.6.30)

 PDF資料はこちらから

 

 

 

もも便り 第8号 『ペットとの暮らし』

 今回はペットと飼い主との関係についてお話します。色々な方のご自宅に訪問しますと、実に様々なペットと出会います。今までに犬・猫・鳥・カメ等が出迎えてくれました。

 2017年の調査によると日本人の犬・猫の飼育率は、犬が12.8%、猫が9.7%だそうです。飼育している家庭の年代は40~70代が多く、特にシニア世代でペットを飼う方が増えているそうです。この数はなんと子供の数より多いそうで、少子化時代においてペットは家族と言えます。ペットのもたらす効果には「癒し」「生きがい(世話をする責任)」の他に「(ペットを通じた)人間関係の広がり」など様々なものがあります。

 現在訪問させて頂いているお宅にはメスの猫がいます。最初は警戒して近寄らなかったのですが、最近は訪問の度に挨拶をしに近寄ってくれるようになりました。ご主人が休まれるベッドの枕元にいる事もあり、ご主人を守っているように見えます。この猫は先代の猫がいなくなった時にふらっとベランダに座っていたそうで、ご主人を守るために世代交代したようにも感じます。

 ペットとの暮らしはご自宅での生活ならではですね。人間に言えない事もペットは黙って聞いてくれます。ご主人を見上げるペットの目は信頼に満ちあふれ、ペット見るご主人はわが子を見るように愛情にあふれています。

 今日も家族の一員のペットに、「ご主人をお願いね」と声をかけて帰ります。

 

ご主人様の枕元で見張り中

 

訪問看護師の隣で見張り中

 

文責:訪問看護ステーション長

久保田優子 

 

もも便り 第7号『連絡ノート』

 新年号「令和」となり、お祝いムード一色です。まだまだ新年号に慣れませんが、当訪問看護ステーションも新たな時代に向けて精進したいと思っております。

 今回は連絡ノートについてお話します。病院では医師や看護師が近くにいて、毎日患者様のご様子を把握、理解する事が出来ます。しかしご自宅で療養されておられる方は医療に触れる機会が減ります。そこで訪問看護師と患者様やご家族との間で情報を共有する必要があります。そのための手段として療養記録を使用しています。訪問した際に看護師が測定した体温や血圧などを記入し、患者さまやご家族へ報告する一方で、私たちが訪問しない時間のご様子を知ることが出来ます。

 ある方の自宅へ伺うと連絡ノートが作ってあり、とても丁寧に日々のご様子が書き込まれてありました。この方は痛みがあり、鎮痛剤を使用しておられますが、日時がきちんと記載されている事で、鎮痛剤の増量や種類の変更を考える事が出来ました。

 忙しい毎日の中でノートに記入する事は手間かもしれません。しかし訪問看護師へ何とか様子を伝えようと書いてくださるご家族の姿が目に浮かび、ご家族の患者さまへの思いやり、優しさ(愛)を感じる事が出来ました。

 お忙しい中ノートをご準備くださりありがとうございました。少しでも長く自宅での療養が穏やかに続けられますようお手伝いさせて頂きます。

文責:訪問看護ステーション長

久保田優子

体温や血圧を記録する在宅療養記録

 

 

連絡ノート

もも便り 第6号 『生きる楽しみ』

  現在訪問させて頂いている最高齢の方のお話をします。その方は90代の女性ですが、ずいぶん前に人工肛門(ストーマ)をお腹に作られました。当時の技術は今ほど進んでおらず、処置する方法や物品も色々と苦労があったとお聞きしました。当初、この人工肛門の処置を目的に訪問看護が開始となったのですが、90代となった今でも、ご自身でしっかりと処置をされておられます。ある日「私はこの(ストーマ)お陰で助かった。これがあったからしっかりせんなと思って頑張ってきたの。」と当時を振り返って話してくださいました。

 とてもお元気なその方は、今では庭先で野菜を育てたり、干し大根を作ったり、編み物や短歌を作ったりされています。「これが今の私の生きがいよ。今年も年を越せました。」とたくさんの趣味を紹介してくださるお姿はとても生き生きとされ、若輩者の私にもパワーを分けてもらっているように感じます。

 人はどんな辛いことが起こっても、それを糧に成長する事が出来るそうです。私たちが訪問する患者様はがんの方が多いのですが、死を身近に感じる毎日にも生きる楽しみはあるそうです。それは大きな事や特別な事ではありません。元気な頃は感じなかった小さな事、何の変哲もない事が楽しみや喜びになるのだそうです。

生きる楽しみのお裾分けを毎回頂いている訪問看護は贅沢な職業なのかもしれません。

その方の作品です

文責:訪問看護ステーション長

久保田 優子

 

もも便り 第5号 『お風呂の介助』

穏やかな気候で新年を迎える事となりました。

本年もよろしくお願い致します。

今回は訪問看護の業務の一つである、お風呂のお手伝いについてお話します。

普段何気なく行っている事の一つが入浴ですね。ところが様々な事情から、看護師の専門的な観察や支援が必要な方がおられます。そのような場合に訪問看護師がお風呂のお手伝いをさせて頂いています。

 今回伺ったのは、足取りに不安があり、入浴後に処置が必要な傷のある女性の方でした。事前にご主人が浴槽にお湯をはって準備をしてくださっています。状況から2名の看護師で訪問し、いつものようにお風呂をお手伝いし、傷の処置を行って帰りました。

 次に伺うと、ご主人が印刷した紙を見せてくださいました。ブログに投稿された文章との事で、急いでいた私はステーションに戻ってから改めて読み返しました。

ご本人の承諾を得て、その内容の一部をご紹介させて頂きます。

「看護師さんが2人して我が家を訪問してくれたのが今週の〇曜日、傷の手当てと入浴の手伝い。カミさんも喜んで看護師の指示に従っている。風呂から上がったカミさん「丁寧でじょうず」とニコニコ。それから傷の手当て、もう一人の看護師は風呂場で何事かごそごそやっている。やがて任務を終え帰った看護師の残したもの。浴槽から配管に至るまでピカピカに、ついでにトイレまで清掃されているのを知り、感謝感激。(一部略)今日またあの看護師がやって来る。ちゃんとお礼をしなくては。」

ステーションのスタッフが実際に行いましたが、入浴後の清掃は本格的なものではありません。トイレはお借りしたお礼でした。訪問看護の業務には清掃等は含まれませんが、お風呂のお手伝いの一環として使用した物品をきれいにします。その行為をとても喜んでくださり、私たちスタッフも嬉しくなったお知らせでした。

普段なら当たり前の事に、人の手を借りねばならない患者様の気持ちを察し、少しでも当たり前に出来るようなお手伝いを今後も続けて参ります。またこうやって準備をしてくださるご家族に対しても、感謝の気持ちを持って看護していきたいと思います。

 

文責:訪問看護ステーション長

久保田優子

 

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