都城市 三州病院

(財)日本医療機能評価機構認定施設

宮崎県都城市花繰町3街区14号 地図

(0986)22-0230 / FAX (0986)22-0309

HOME > もも便り

訪問看護 ”もも”便り

もも便り 23号 「お薬の飲み忘れはありませんか?」

 今回はお薬の管理についてお話しさせて頂きます。
 厚生労働省の調査によると、65歳以上の4人に1人が「うっかり」に悩んでおられ、「年のせい」とあきらめている方が多いそうです。高齢の一人暮らしの方は、「こん薬はなんやったっけ?」と、そもそも自分はなぜ薬を飲んでいるのかを忘れてしまったりすることもありますね。うっかりの飲み忘れ対策に一週間分のお薬をセットできるカレンダーや、くすりケース、薬箱等、たくさんの便利グッズが百円ショップにも出回るようになりました。
 今回ご紹介するのは、一人暮らしを続けておられる高齢者の方です。時々薬を飲み忘れる事が見られるようになりました。私達がお伝えすると「あら本当だ、なんでかね~」と自信なくおっしゃいます。できる力を支えつつ、自信も保ちながら薬の飲み忘れがなくなるにはどうしたら良いかと考えました。
 今回 訪問看護ステーションでは、目について思い出せるよう、お薬は管理しやすく朝昼夕の薬をそれぞれひとまとめにしてもらい(一包化)、一袋ずつセット出来るかわいい箱を作りました。飲み忘れる事がなくなられたのですが、しばらくするとまた飲み忘れてしまわれたので、今度はモンチッチのキャラクターの絵を張って箱を作り直しました。その後はだるまのキャラクターと、次々と箱を作り替えました。箱には【晩ごはんの後 お薬のんでね】や【お薬飲んでくれて ありがとう】の文字もつけています。
 キャラクターが変わる事で目が薬箱にいき、「かわいいね」と毎回喜んで下さいます。日々の日常の中にも、私達訪問看護師が「飲んでくれてありがとうございます、だるまさんも喜んでますよ」と声を掛けると笑顔になられます。
 歳を重ねると失うものがある事も事実ですが、もっておられる素晴らしい力を出来る限り発揮して日々を過ごして頂けるよう、これからもアイデアを出していこうと思います。

文責:三州訪問看護ステーションもも
楠見かおり

 

 

もも便り 第22号『昔取ったきねづか』

 

冷たい雨が過ぎると汗ばむほどの陽気となり、春の到来と初夏の訪れが感じられます。今年のお花見はどのようにされましたか?コロナ下ではこれまでのお花見ができず、せっかくの桜もかわいそうですね。三州病院にある桜の木が日に日にピンクの花をつけ、私たち職員や患者様を癒してくれています。
 訪問看護師としてご家庭を訪れますと、その方の人生に触れる事が出来ます。その一場面をご紹介したいと思います。その方は地域の役員を引き受けておられ、特にご高齢の住民の皆様のお世話をされておられました。手先がとても器用で効率よく物事を考えられる方で、ご自宅の物はなんでもご自身で修理されていました。自動血圧計の圧力チューブが破損した時には、ホームセンターから丁度良いチューブを見つけて直されていました。またコロナの感染が拡大し始めた頃には、手作りのマスクを奥様と二人でたくさん作っておられました。
 いつものように訪問した時、介護用電動ベッドに見慣れない柵を見つけました。よく見ると塩化ビニールの細いパイプが器用に組みあがっています。更にバスケットが取り付けられていて、水分補給用のペットボトルや読書用の眼鏡、ティッシュペーパー等が取り出しやすく整理して入っています。もちろんご自身で作られたそうで、とても驚きました。ベッド柵もレンタルできるのはご存知のはずなのに、自分が生活しやすいように手作りされたのです。こんなのあったらいいなと考える事は出来ても、なかなか実際に作る事は難しく、更に病状が徐々に悪くなっていく中での作業でしたので、大変だったと思います。
 このように、その方が歩んでこられた人生を垣間見る事ができるのは、訪問看護の役得です。そしてその人生について話してくださる患者様のお顔が、何よりも生き生きとしておられるのが私たちの喜びです。これからもたくさんの方の人生を見せて頂き、訪問して参りたいと思います。

文責:三州訪問看護ステーション”もも”
久保田優子

もも便り 第21号 『あずきで温まりませんか』

 立春を迎え、毎日の気温の差が大きくなり、着ていく物に迷うこの頃です。
 新型コロナウイルスのワクチン接種が急がれておりますが、毎日の自粛生活はもうしばらく続きそうで、ストレスや運動不足による心身の不調が考えられます。訪問先の利用者さまから、「お腹が冷える」、「肩がこる」、「手足がむくむ」、「手足が冷たい」と体調の不調を話されます。そこで今回は、あずきを使った手作りカイロをご紹介したいと思います。
 主な効果としては、あずきは水分を多く含んでおり、電子レンジで加熱する事で、天然の蒸気を発生させ体を芯から温める事が出来ます。今の時期はお腹にあてたり、第二の心臓といわれるふくらはぎに当てる事で、冷え性が改善できるそうです。首や肩のこりにも温める事で血行が良くなり、こりの解消やリラックス効果が期待できます。
 利用者さまにご紹介したところ、「家にあずきがあります」と早速作ってくださり、「気持ちがいい!」ととても喜んでくださいました。中には肩、手、足と体の場所に応じて大きさの違うものを作ってくださり、ご家族の愛情の深さを感じる事もありました。寒い冬の外来待合室では、手作りのあずきカイロを握りしめて順番を待っておらる事もありました。市販のカイロでは味わえない、あずきの触感や温かさが人気なのだと思います。
 裁縫が苦手な方でも簡単に作れるように、3種類の作り方をご紹介致します。

あずきカイロの作り方
材料 ・あずき(お好みで。あまり入れ過ぎて重くならないように。)
   ・手ぬぐい等の綿100%の布(100円ショップでも購入できます)
   ・10㎝程度の小さめの巾着袋
   ・靴下
   ・糸やひも(適量)

作り方
1 手ぬぐい:細長く作る事ができるので、肩に巻いて全体を温めることができます。

  手ぬぐいを縦に長方形に縫います。中のあずきが偏らないよう、ミシン等で仕切りを幾つか作るのがポイント。

2 巾着袋:袋状に縫ってあるので、あとはあずきを入れて、口を縫うだけの簡単カイロ。

3 靴下:あずきを入れて、口をひもで縛るだけ

使用方法:カイロを電子レンジで30秒~1分程度温めて使用します。冷めたら繰り返し温めて使用できます。

注意点 :ナイロンなどの化学繊維は温めると溶けてしまう事があります。
     必ず天然繊維100%の生地を選んでください。温めすぎると焦げますのでご注意ください。

おまけで、人形の形のカイロを作ってみました

自粛生活の今、色々なアイデアで自分好みのカイロを作ってみてはいかがでしょうか。あずきの天然蒸気に癒されてみてください。これからも三州訪問看護ステーション「もも」は、日常生活に役立つケアを提供していきます。

文責:訪問看護ステーション
 楠見かおり

もも便り 第20号『新年のごあいさつ』

 新年明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルス感染症の拡大で、今までに経験した事のない生活を余儀なくされた年となり、まだまだ終息までには時間がかかりそうです。

 三州訪問看護ステーション“もも”は今年の7月で、開設4周年を迎えます。昨年は約100名の方を訪問させていただきました。新型コロナウイルスの感染拡大の中、訪問回数や時間、方法を変更させて頂くこともありましたが、感染者の発生もなく新年を迎えることが出来ました。患者さま、ご家族、地域の皆様方のご協力にこころより感謝致しております。面会制限のある現状を考えますと病院、ご自宅での療養、どのような場所であっても「いい人生だった」と感じれる最期が迎えられる事を願っております。患者さまのご自宅でケアすることの喜びや難しさを感じつつ、たくさんの方から頂く信頼や感謝のお言葉を励みに、これからも訪問看護師として頑張っていきたいと思います。

 今年は丑年です。丑年は、目前のことを着実に進めることで、将来の成功につながっていく年と言われています。大変な毎日をお過ごしと思いますが、私たちも明るい希望を持ち、牛の歩みのようにゆっくりと一歩ずつ新しい生活を続けて参りたいと思います。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

   
訪問看護ステーション長
久保田 優子

 

 

 

 

 

 

もも便り 第19号 『白桃の日』

8月9日、10日の「白桃の日」をご存知ですか?岡山県で1996年から実施されており、「は(8)く(9)とう(10)」の語呂あわせから、この日に様々なイベントが開催されているそうです。

 当訪問看護ステーションもも”の由来も「桃」からきています。桃は中国原産の果物で紀元前4世紀ごろにシルクロードを通り、ペルシア経由でヨーロッパに伝わりました。ピーチ(Peach)は“ペルシア”が語源だそうです。日本には縄文時代の遺跡から桃の核が出土している事から、日本最古とされています。ずいぶんと昔からなじみのある果物だったことが分かりますね。

 桃には水密種として白桃、白鳳、黄桃があり、その他にもネクタリンや蟠桃といった種類があります。7月から8月にかけて市場に出回る桃は、栽培にとても手間のかかる果物です。病気になりやすく、害虫の防除が必要で、収穫前には実が傷つかないよう一つずつ丁寧に袋をかけなければなりません。そのお陰で私たちはみずみずしくて甘い桃を食べることが出来ます。

 中国において「桃」は仙木・仙果と呼ばれ、邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれてきました。「古事記」ではイザナギノミコトが鬼女に桃を投げつける事によって、退散させる場面が描かれています。私たちスタッフにとっても、訪問看護ステーションももは神聖な存在です。利用者様のかけがえのない命をしっかりとお守りし、命に寄り添い、毎日が心穏やかに過ごせますよう、“もも”を胸に掲げて訪問していきたいと思います。

スタッフが作ってくれた「桃」のマスクをつけて記念撮影

文責:訪問看護ステーション長
 久保田優子

もも便り 第18号 『訪問看護ステーション開設3年目を迎えました』

 2020年7月1日で、三州訪問看護ステーション“もも”は開設3年目を迎えることが出来ました。これまでたくさんの利用者様やご家族、事業所の皆様のご支援のお陰で今日を迎えることができました。訪問看護では年に2回、利用者様に満足度アンケートをお願いし、訪問看護の質の向上に努めておりますが、今回もたくさんのご意見を頂く事が出来ました。満足して頂いている項目として「24時間365日いつでも対応してくれる」「体の状態が変化した時や困っている場合すぐに対応してくれる」「本人の健康状態の変化によく気付いてくれる」等がありました。一方、満足度の十分でない項目では「利用前に比べ本人の不安や困り事が軽減した」「様々な職種との情報共有がきちんと図れている」等があり、今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

当ステーションが担当しております利用者様は、がんの終末期の方が8割を占め、非常に厳しい状況の中、自宅での療養を続けておられます。専門的な知識だけではなく、細やかな配慮やご家族へのケアが求められます。日々の訪問看護を通して信頼関係を築く中で、その方の人生や価値観、大切にしている物事などを知ることが出来ます。療養される場所は自宅だけでなく、その方が望まれる場所で長く療養できますよう、気持ちも新たに訪問させて頂きますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

これからも頑張ります!

 

上半期の訪問看護統計をご参照ください。

   

利用者満足度調査結果(実施期間6/1~6/7 有効回答数12名、回収率:85.7%)

 

文責:訪問看護ステーション長

久保田優子

« 過去の情報